インフルエンザ予防接種について

ワクチンの過信に注意 昨冬のインフルエンザワクチン、効果減弱の理由 2013/12/3 増谷 彩=日経メディカル

 今年もインフルエンザの流行期が目前に迫ってきた。昨シーズン(2012/13年シーズン)は、患者の2割を高齢者が占め、ワクチンを 接種した高齢者でもインフルエンザを発症するケースが多く報告された。インフルエンザワクチンを接種すれば発症を完全に予防できるわけではないが、昨シーズンは、ワクチン接種後の抗体価上昇が不十分だったり、ワクチン製造株と流行株との抗原性一致率が低かったという事実を指摘する声もある。果たして、ワクチンの効果は減弱していたのだろうか。そして今シーズンの展望は――。

と、書き出すこの記事、興味を引きますねぇ。
昨年のワクチンの効果がいまいちだったのは事実としてあるようですが、型の選定は良かったとのこと。

インフルエンザワクチンの効果が最大限に発揮されるには、そのシーズンのワクチンとして選定したウイルス株(ワクチン株)と、実際に流行したウイルス株(流行株)の抗原性が一致する必要がある。国立感染症研究所(感染研)によると、2012/13年シーズンのインフルエンザウイルスは、香港型のA(H3N2)型を主流とし、A(H1N1)pdm09型、B型が入り交じる3種混合流行だった(IASR Vol.34,p.328-334:2013年11月号)。
 分離された流行株について、ワクチン株と抗原性が一致する割合を解析したところ、H1N1型ワクチン株は95%、H3N2型は98%、B型は100%と極めて高かった。つまり、昨シーズンのワクチン株の選定自体は適切だったことが分かる。

じゃあなぜ効かない?

 国立病院機構熊本再春荘病院リウマチ科部長の森俊輔氏は、「インフルエンザワクチンを接種した後の抗体価が十分に上昇していなかった可能性があるのではないか」と語る。
 森氏は、2012/13年シーズンに同院でインフルエンザワクチンを接種した看護師62人について、接種前後の抗体価を調べた。その結果、抗体陽転率は20%程度であることが分かったという。抗体保有率については、H1N1型では70%を越えたものの、H3N2型とB型は50%に留まったという(論文投稿中)。「これは、欧州医薬品庁(EMA)が行う有効性評価の基準値に達しない数値。欧州であればこのようなワクチンは出荷されない」(森氏)。

日本では「ヒトが接種した場合の抗体陽転率や抗体価を確認する試験などは課されていない。一方、欧州ではEMA基準に基づいてヒトにおける有効性を満たさなければ出荷できない。このEMA基準は、インフルエンザワクチンの有効性の国際的な評価基準にもなっている」とのこと。
えっ、そりゃないでしょ!製薬会社の言いなり?と思ったら違う結果も出ており、日本臨床内科医会インフルエンザ研究班の調査では例年並みかそれ以上に抗体価は上昇しているそうです。でも、この会が調べた結果でも成人のワクチン有効率は低かったそうですから、きちんと国が基準を定めて、それをクリアしたワクチンであって欲しいですね。

いずれにしても、いろいろな条件により、

「インフルエンザワクチンを接種しても、抗体価が十分に上がっていない可能性があることは常に念頭に置いておかなければならない」

ということだそうです。
しかも、ワクチン製造には増殖しやすい交雑株を使用するため、遺伝子に変異が生じ…

つまり、実際に製造されるワクチンは、抗原性がワクチン株と完全に一致するわけではないのだ。

なんか、効く気がしなくなってきました。それが、昨年のはひどかったようです。誰の責任?
今年のは変異が少しましな株を利用するとのことです、具体的にはいまいちイメージ出来ませんが、そういうことです。
〆がこれ

「まずはウイルスに曝露しないことが第一。入院施設や老人養護施設などの場合は、インフルエンザの時期に外部からウイルスを持ちこまない配慮、すなわちマスクの着用や手洗いの励行など基本的な対策を徹底すべきだ」

なるほど。