お母さんと一緒になおす 子供の便秘

フェイスブックにも載せたんですが、こちらにも。
 
「お母さんと一緒になおす 子供の便秘」
 
小林弘幸 順天堂大学医学部教授の著作で、
・子供の便秘についての解説
・排便のためのマッサージと体操。
・排便の習慣づけ(すっきり気持ち良い!)など生活習慣の大切さ。
・便秘によい食事
について書かれています。
便秘が解消されるのは大切なことだが、精神的なストレスを子供が感じても余計に良くない。そのために正しい知識を得て、うまく出してしまいましょう、という本です。子供さんの便秘に悩まれている方のみならず、ご自身が便秘の方にも参考になるかと思いました。
日本鍼灸師会の全国大会で小林弘幸先生の講演があり、自律神経の働きに興味を持っておられ、鍼灸とも通じるところがあり興味を持ちまして読んでみました。便秘にも強い先生のようです。
 
内容を要約して紹介します。
 
子供の便秘とは、腹部を触ると固いような張りがある、排便に苦痛を感じている、3日以上便が出ていない場合などを言う。医師に診せる必要が有るのは1週間程度出ない場合や、1週間経たなくても排便時にすごく痛がったり、お腹の張りが取れない場合。
 
便秘は本人のせいでは無く(親の責任でも無い)、子供に「頑張りなさい」とプレッシャーを与えるのは逆効果になる。親は「うんちが出ないぐらいはどうってことはない」とゆったりした気持ちで気楽に接するのが良い。
だだし便秘が解消するだけで、不安が無くなり、外出が楽になったり、人とつきあうことを楽しめるようになる。便秘が引き起こすのが負のスパイラルなら、便秘の解消が生み出すのは幸せのスパイラル、色々な手段を利用して「うんちは気持ち良い」を早く体験させてあげましょう!(なるほど、そうです)
 
排便時に肛門が切れて痛かったりした経験から、怖がることもある。我慢すれば便が硬くなり悪循環なので、痛みの強い場合は医師により一時的に肛門を広げる施術を受けることも出来る。(知りませんでした!)
 
 
便秘の種類は大きく分けて下記4つで、子供の便秘は1と2。
 
1.便を押し出す力が弱い 直腸肛門型
排便時に肛門に痛みを感じていることが多い
排便時に血が出る
自宅以外で排便を我慢してしまう
排便が週に2回以下
排便後も、うんちが残っているように感じている
 
2.腸が繊細、敏感なストレス型
ストレスをためやすい
睡眠時間が短い
便秘もするが下痢もしやすい
 
3.直腸ぜん動不全型
腸内の悪玉菌が強いなどで、適当な硬さのうんちが作れない、大人に多い便秘。子供の場合は善玉菌を増やす、ヨーグルト、味噌などを摂取してもあまり効果は出ない。
 
4.他の疾患が隠れている
 
 
子供の便秘のほとんどは「1. 直腸肛門型」です。
原因は直腸や肛門のセンサーが未発達で、便が直腸に溜まってきても「そろそろうんちを出しましょう」という指令が出ないこと。
それで、直腸が便を押し出そうとする力(便意)が弱い状態で、さらに腹筋や横隔膜、肛門括約筋など便を押し出すために必要な筋もまだ十分な力を持っていないので、腸内に便が溜まりやすい。
 
全世代がいつでもなり得るのが「2. ストレス型」の便秘です。自律神経のバランスの崩れで起こる。自律神経(交感神経、副交感神経)のうち、副交感神経には腸のぜん動を促す働きがあります。ぜん動は腸の内容物を肛門の方へと送る動きなので、それが弱いと腸のあちらこちらで便がとどこおる。
 
 
その他
・排便は毎日で無くとも良いが、トイレに毎日行く習慣をつけて慣れるのもよい。(15分程度座ってみる)
・便は黄色から茶色のほどよい硬さで有れば良い。便秘時は腸に長くとどまっているために水分が吸収され、固くてころころした便になる。
・浣腸は頻繁に行なわず、食事や運動、マッサージなどで、促すようにする。綿棒浣腸(マッサージ)の代わりに、スポイトで肛門にぬるま湯をかけるのが安心。
・子供でも大人でも、トイレに行くタイミングをコントロールするのはお勧めできず、行きたいと思った時に必ず行くようにする。でも、学校で出来ない子供は、朝に家で排便してから行くように習慣づけていく。
・便秘の解消に水分は欠かせないが、水分をたくさん摂れば治るというものでは無い。必要に応じて補給。
 
 
以上を知った上で、対応策として、
 
マッサージ
体操
 
が有ります。例えば、お腹の左上、右下が大腸が曲がっていて便が滞りやすい所。そこを軽く刺激すると良いそうです。本を参考にして下さい。
 
 
それから食事についての記載があります。
3食規則正しく食べること、と共に水溶性食物線維を含む食材が推奨されています。
 
子供の便秘解消におすすめ食材。(水溶性食物繊維を多く含むなど)
アボガド、インゲン豆、オクラ、押し麦、海藻、ゴボウ、ココア、切り干し大根、玄米ご飯、サツマイモ、サトイモ、そば、ナッツ、納豆、なめこ、人参、プルーン、モロヘイヤ、りんご、バナナ、小豆あん、など
オリーブオイルをティースプーンに1~2杯飲むのも便秘解消に良い。味噌汁に入れたりパンに付けて食べても良い。
 
食物繊維について:食物線維には水溶性食物線維と不溶性食物線維があり、子供の便秘の改善にはうんちの水分を増やして柔らかくしてくれる水溶性食物線維が良い。野菜に多く含まれ水に溶けない不溶性食物線維は、取り過ぎると便が硬くなる。
不溶性食物繊維は、大人の便秘である「直腸ぜん動型」に良い。便秘に悩む大人は、まず水溶性食物線維をたくさん摂って溜まっている便を軟らかくして出してから、不溶性食物線維をしっかり摂って腸を動かす。ヨーグルトやみそなど発酵食品を摂取する。
 
 
 
最後に総まとめ。便秘解消究極の10箇条、について書かれています。項目のみ以下の通りです。
 
1. 朝起きたら、コップ1杯の水を飲みましょう
2. 朝日を浴びて深呼吸をしましょう
3. 必ず朝食を食べるように
4. 食事のリズムを一定にしましょう
5. 朝のトイレはゆっくり座りましょう。(15分ぐらい座ってみる)
6. 日中は外で元気に遊びましょう
7. 夜更かしは便秘の大敵
8. 入浴タイムはお風呂の中でマッサージ
9. 寝る前に便秘解消エクササイズ
10. いつも笑顔で、でも褒めすぎは駄目