答申まとまる

2月に要チェックだと言っていた 規制改革と混合診療 - 喜多鍼灸院日誌 規制改革会議の答申がまとまりました。

規制改革会議 公表資料 - 内閣府

“答申から、農業や混合医療など担当省庁からの抵抗が大きいとされる規制改革項目が外れた” そうで、批判もあります。で、会見で以下のようなやりとりがあったのでした。

混合診療拡大も議論へ 規制改革会議の岡議長
共同通信社 6月6日(木) 配信

 政府の規制改革会議の岡素之(おか・もとゆき)議長(住友商事相談役)は5日、会議の答申を取りまとめた後に記者会見し「かなりの成果を挙げたが、いろいろな課題が残っている」と述べ、引き続き農業や医療分野の規制緩和を検討する考えを示した。具体的には、保険診療と保険外診療の併用を認める「混合診療」の範囲拡大などを挙げた。

 同会議は今回の答申に盛り込めなかったテーマについて、第2期となる7月以降、1年程度かけて検討する方針。

 岡議長は今後、「国民の関心の高いテーマに積極的に取り組みたい」と強調。混合診療の拡大のほか、政府が農地集約のために整備を目指す新組織「農地中間管理機構」(仮称)の在り方なども議論するとの見通しを示した。農協改革も検討する可能性を示唆した。

 ということで、どうなるんだろう、と思っていた混合診療はこれからの話になります。健康ビジネスについての安倍首相の考えは以下。弱みにつけ込む“治る根拠の無い”健康ビジネスって嫌いなんですが(ただし鍼灸もエビデンスが弱いと言われております(^^;))、なんだかそれを煽るような気がしないでもありません。
 まあ、安倍首相としては将来の医療費を抑えたいので(昼間のテレビで宣伝してるようなのや町で人を集めて訳の分からん物を高く売りつける商売で無く)ちゃんと効果の期待出来る物を実費で支払うように持って行きたいということでしょうから、インチキは認定されないですよね、きっと。
営利組織に皆様の健康不安を煽ってもらい、色々な物やサービスに対価を支払ってもらい、結果として疾病予防につながり、医療費抑制できる…。

首相「診療情報は宝の山」、民間主導で健康ビジネス拡大を
島田 昇(m3.com編集部) 6月6日(木) 配信

 安倍晋三首相は6月5日、都内のホテルで開かれた内外情勢調査会で講演し、規制改革に重点を置いた「成長戦略」の第3弾を発表した。医療関連では、医薬品のネット販売を解禁するほか、保険外併用療養の対象となる先進医療の拡大、診療情報の民間活用を促し、これを健康関連ビジネスの拡大の起爆剤する方針を語った。医療関連の安倍首相の講演内容は以下の通り。

医薬品ネット販売解禁とIT戦略

 インターネットによる一般医薬品の販売を解禁します。ネットでの取引が、これだけ定着した時代で、対面でもネットでも、とにかく消費者の安全性と利便性を高めるというアプローチが筋です。消費者の安全性を確保しつつ、しっかりしたルールの下で、全ての一般医薬品の販売を解禁します。

 次の参議院選挙からは、ネット選挙が解禁となります。これも、「ようやく」という感は否めませんが、IT時代に対応した大きな改革の一つです。まだまだ、日本はITの潜在的な能力を生かし切れていません。社会のイノベーション、革新的なビジネス、生産性の大幅な上昇。ITが持つ「可能性」を存分に引き出さなければなりません。今後も、IT戦略は、私の成長戦略の大きな柱であると考えています。

先進医療の審査、期間半減に

 医療の分野では、最新の医療技術を利用すると、全額自己負担になる混合診療の問題についてご指摘いただいていました。私はこの世界を大きく進化させます。最新の医療技術を、一気に普及させるための新しい仕組みを作ります。これまで、保険外併用療養の対象となる先進医療については、技術の有効性や安全性を証明する手間を申請する医療機関が全面的に負担してきました。それを学会などからの申し出を踏まえ、国が全面的にサポートする形へと切り替えます。審査についても、外部の評価機関を活用することで、期間を半減します。最先端の医療が生まれれば、速やかに先進医療と認定し、保険外併用療養の範囲を拡大します。

外国人医師も日本で医療ができる制度へ

 新しく「国家戦略特区」を創設いたします。小泉内閣が始めた構造改革特区は、地方自治体から提案を受けて、一つひとつ、古い規制に風穴を開けてきました。たくさんの特例が、その後に全国展開され、まさに、規制改革の「切り込み隊長」となってきました。今般、私が提案する「国家戦略特区」は、構造改革特区の考え方を、さらに「面的なもの」へと進化させていくものです。

 ロンドンやニューヨークといった都市に匹敵する、国際的なビジネス環境をつくります。世界中から、技術、人材、資金を集める都市を作りたい。そう考えています。しかし、この目的を達するためには、一つひとつ規制のモグラたたきをやっていても、キリがありません。国際的な街作りには、外国人でも安心して病院に通える環境が必要です。外国人がコミュニケーション容易な医師から診療が受けられるようにし、トップクラスの外国人医師も日本で医療ができるよう制度を見直します。

健康長寿ビジネス、民間主導で

 有名な「タニタ食堂」。計量器メーカーのタニタは、社員食堂で低カロリーメニューを開発するなど、社員の健康管理に取り組みました。その結果は、医療費が業界平均よりなんと2割も低く抑えられた。しかもそれだけではありません。社員食堂が、新たなビジネスとなりました。「丸の内タニタ食堂」では、健康を求めるサラリーマンが、毎日行列を作っていると言います。フィットネスや運動指導、そして食事管理。これまで想像もしなかった、健康長寿ビジネスが、民間主導でどんどん生まれつつあります。

 しかし、ここでも規制が立ちはだかっています。医療行為との線引きが分かりづらく、どこまでやっていいのか分かりづらいという問題です。そこで民間の健康・予防サービスに新規に参入しようとする人を公的に認定して、安心して事業ができるようにする新たな仕組みを作り上げます。金融面など、経済的な支援をやるためだけの認定ではありません。事前に確認を受けることで、規制のグレーゾーンを取り除き、適法なビジネスだとのお墨付きを受けることができます。規制を怖れず、どんどんこの分野に飛び込んでもらい、人々の健康ニーズに答えるサービスを提供してほしい。

疾病治療中心の保険制度を見直し

 新規参入に拍車をかけ、健康管理や疾病予防を大きく前進させるため、疾病治療中心の保険制度の運用を見直します。保険を請求するための医療明細書、レセプト業務は保険業務の効率化を目的としたものでした。これを新たな産業を生み出すために活用します。レセプトに詰まっている診療情報を分析・評価すれば、健康管理につながります。さまざまなサービスを生み出し得る宝の山です。全ての健康組合や国保などの保険者に対し、加入者の受診データの分析と評価を導入し、加入者の病歴予防に取り組むように求めていきます。現在の日本の医療費は40兆円ほど。1%でも健康予防サービスに振り向けられれば、4000億円の新たな市場が生まれます。新たな民間の多様なサービスを生み出す金の流れができます。そこから誰もが求める健康長寿社会、10年後には60兆円近くまで増加が見込まれる医療費も、今、官業を開いてくことで、その抑制にもつなげることができると確信しています。