お恥ずかしい話

 こんなニュースが一般紙に載るのは恥ずかしい話ですが、でも、実は懲罰的な措置というわけでもなく、こういうことは業界が望んでいることです。記事の中にもありますが、鍼灸でも業界団体から厚労省などに対して同じような話をしています。免許持っている者からすれば卒業生がどんどん出てくるのは困る、ということでもありますが(^_^;)、それだけじゃなく徒弟制度などで鍛えられる場が無くなっているからこそ学校でしっかり教えないといけないということでしょう。

 倫理かあ。一般医療でも商売熱心なところや、やってはいけないこと(グレーからブラックまで)をやる、コンサルタントを入れて健康保険をしゃぶりつくすことに熱心なところもありますし、実際に摘発されているところもあるわけですが、柔整は療養費という綱渡りをもともと?しているわけで、綱渡りが得意なため、よりいかに稼ぐかってことに抵抗が少なく、執心してしまう人が多くなってくるんでしょうか。でも、やっぱり悪いことをするっていうのは、一部なんですよ。ごく一部。(綱渡りはしていますが)

 

療養費不正

柔整師の養成、厳格化 職業倫理を必修に
2016年8月19日 (金)毎日新聞社   

    厚生労働省は、柔道整復師(柔整師)の養成カリキュラムを厳格化する方針を固めた。養成施設の卒業に必要な 単位数を85から99に引き上げた上で、職業倫理の授業などを必修化する。柔整師らが関与する療養費の不正請求が後を絶たず、養成段階での質の向上が必要と判断したためだ。制度発足以来、大幅な規制強化は初めて。来年度中にも省令改正し、2018年度からのスタートを目指す。

 柔整師は厚労省が認定する国家資格。接骨院などで施術する。医療行為は行えないが、骨折や脱臼などの施術に対して支払われる療養費は公的医療保険が適用される。

  養成施設については、かつては旧厚生省が行政指導で新規開設を制限していた。しかし、養成施設に指定されなかった事業者が起こした訴訟で福岡地裁が 1998年に処分の取り消しを命じたのをきっかけに規制を緩和。00年度に25施設だった養成施設は15年度に109施設に急増している。

 これにより、柔整師は近年、年間4000~5000人が合格し、14年時点で約6万4000人が就業。一方で、昨年11月には暴力団組員や接骨院経営者らが架空請求し、療養費を詐取する事件も発生。この事件の被害額は約1億円に上るとみられている。

  柔整師の質を確保するため卒業に必要な単位数を増やして、社会保障制度の基礎や職業倫理の授業を必修化。施術技術向上のため臨床実習も拡充する。現在は最低履修時間数が設けられていないが、新たに「2750時間」に設定する方針だ。専任教員の実務経験年数を従来の「3年以上」から「5年以上」に見直す。

 有識者による同省の検討会がこうした内容を盛り込んだ報告書を9月にまとめる予定。報告を受けて厚労省が省令改正に着手する。はり師やきゅう師、あん摩マッサージ指圧師の養成課程も単位数を引き上げるなど、同様の見直しを行う。【阿部亮介】