ためしてガッテン 肩こり

「ああ!首と肩がツライ 肩こり根治マニュアル」

ですと。良いタイトル付けますね。

ガッテンで筋膜をやると聞いてましたが、いつのことだか全く認識していませんでした。今日、嫁さん携帯に私の母より電話。「今、ためしてガッテンやってるからみいや」とのことでした。ははは(^^;)まあ、有り難いというか何というか。今は亡き父も私の治療所のことを心配していたと聞きましたし、いつまでも(47歳です)心配掛けないようにしないといけませんね。

さて、今回のガッテンは竹井仁先生が出ていましたが、サイトを見てみると治療についてはMPS研究会会員治療所で受けてね、ということになっていました。うちも会員ですよ!でも、超音波は高いから買えません!ついでに、MPS研究会の会員紹介ページみてみたら、うちは載ってません。う~む…MPSの学術集会で発表でもしないといけないな。

筋膜について、「アナトミートレイン」だけでなく、「人体の張力ネットワーク 膜・筋膜―最新知見と治療アプローチ」などの専門書、一般向けはさらに色々な本があり、「膜」が流行している感じ。

トリガーポイント研究会の黒岩先生も受容器の多いところであるので、関連痛を出す部分の一つとしてとらえています。さて、それ以上の物なのかどうなのか、イギリス在住のファシアの伝道師(勝手に命名)の倉野幸男先生のブログなども参照しつつ勉強していきたいと思います。

(新)鍼灸マッサージ師のためのファシア考察

私は臨床家として芯となる技術と知識を身につけ(トリガー)、様々な原因で発症した患者さんの種々の病態に対応できることを理想とします。そのためには核となる技術の更新と習熟、さらにはその周辺の技術を吸収して幅を広げることが必要です。膜の事も今までやってきたトリガーと同義では無いかもしれませんが、内包しあっており、すぐにも治療に活かせそうな、そんなワクワクのあふれる成果がでているようです。

ガッテンの体操はちょっと視点を変えたストレッチといったところで、膜を意識できて良かったですよ。

 

ためしてガッテン 肩こり

ああ!首と肩がツライ 肩こり根治マニュアル

ですと。良いタイトル付けますね。

ガッテンで筋膜をやると聞いてましたが、いつのことだか全く認識していませんでした。今日、嫁さん携帯に私の母より電話。「今、ためしてガッテンやってるからみいや」とのことでした。ははは(^^;)まあ、有り難いというか何というか。今は亡き父も私の治療所のことを心配していたと聞きましたし、いつまでも(47歳です)心配掛けないようにしないといけませんね。

さて、今回のガッテンは竹井仁先生が出ていましたが、サイトを見てみると治療についてはMPS研究会会員治療所で受けてね、ということになっていました。うちも会員ですよ!でも、超音波は高いから買えません!ついでに、MPS研究会の会員紹介ページみてみたら、うちは載ってません。う~む…MPSの学術集会で発表でもしないといけないな。

筋膜について、「アナトミートレイン」だけでなく、「人体の張力ネットワーク 膜・筋膜―最新知見と治療アプローチ」などの専門書、一般向けはさらに色々な本があり、「膜」が流行している感じ。

トリガーポイント研究会の黒岩先生も受容器の多いところであるので、関連痛を出す部分の一つとしてとらえています。さて、それ以上の物なのかどうなのか、イギリス在住のファシアの伝道師(勝手に命名)の倉野幸男先生のブログなども参照しつつ勉強していきたいと思います。

(新)鍼灸マッサージ師のためのファシア考察

私は臨床家として芯となる技術と知識を身につけ(トリガー)、様々な原因で発症した患者さんの種々の病態に対応できることを理想とします。そのためには核となる技術の更新と習熟、さらにはその周辺の技術を吸収して幅を広げることが必要です。膜の事も今までやってきたトリガーと同義では無いかもしれませんが、内包しあっており、すぐにも治療に活かせそうな、そんなワクワクのあふれる成果がでているようです。

ガッテンの体操はちょっと視点を変えたストレッチといったところで、膜を意識できて良かったですよ。

 

スティーブンス・ジョンソン症候群

頭痛のことを調べたり本を読んだりしていました。通常の鎮痛薬が緊張型頭痛と発生機序の違う片頭痛にも有効なんだと知って、適用範囲の広いことに感心していましたが、そのとき、ふと頭をよぎったことがあり、改めてネットで検索。…死亡が思ったより多かったので以下引用です。

 スティーブンス・ジョンソン症候群などの重い皮膚障害が2001~2003年秋までの約2年半1064件報告され、死亡例は106件あったことが厚生労働省のまとめで分かった。市販の風邪薬で起きることもあり、注意を呼びかけている。
 全体の2/3は回復したり症状が軽くなったが、ほぼ1割の106件は臓器障害の合併症などで死亡した。62件は呼吸器官などに後遺症が残った。
 原因と疑われている薬品は283種類に上り、抗生物質製剤や解熱鎮痛消炎剤、総合感冒剤などが多かった。
 過去の推計でも、1997~2000年度に105件の死亡事例が報告されている。
 スティーブンス・ジョンソン症候群は、まず発熱や赤い斑点が現れ、重症化すると全身に水ぶくれやただれができる。中毒性表皮壊死症(TEN)も似た経過をたどる。
 合併症による死亡率は
     スティーブンス・ジョンソン症候群(6%)、
     中毒性表皮壊死症(20~30%)
  とされる。
 発症のはっきりしたメカニズムは不明だが、中毒性表皮壊死症[TEN]の9割以上の原因が医薬品とした研究報告もあるという。

 発生頻度は、外国の研究報告だが、人口100万人あたり、
    スティーブンス・ジョンソン症候群が1~6人/年間、
    中毒性表皮壊死症が0.4~1.2人/年間。

 厚労省は「医薬品投与後に高熱を伴う発疹などがあれば直ちに投与を中止し、皮膚科の専門医が治療すべきだ」としている。

また、別記事でも、

 2009年8月から2012年1月に製薬会社から厚労省に報告のあった、重い皮膚障害の副作用は1505例で、このうち131例は亡くなっている。抗生物質、抗てんかん薬、解熱鎮痛剤、総合感冒薬、ビタミンB1剤など265成分が疑われている。
 

 と、減る気配ありません。
 年間にして4-50人の死亡と、餅や風呂ほどは怖くないですが(ざっくりと…窒息1万、溺死8000、交通事故5000)、手遅れになれば死亡や後遺症が残る場合もあるのですから、知っておいて良いと思います。

 必要な薬は有り難く服用するけれど、どれで起こるかも分からない段階ですので、必要のない薬(オマジナイの類い)は服用しないようにしましょう。

 …難しいですね。私もガンガン頭痛が来たら鎮痛薬飲みます。でも、それでけでなく、頻繁に頼る必要の無いように、頚や肩への治療はずっとしており、頻度は激減しているのです。そこが肝心かと。まずは運動含めた生活習慣改善、それでも駄目なら鍼治療ですね!

 

 

コヒーシンと卵子の染色体異常

今朝の朝刊に出ていたので読まれた方もあるでしょうけれど、卵子の加齢による染色体異常の原因について、詳しい発表を下記で読めます。

加齢による卵子の染色体数異常の原因を特定 | 理化学研究所

不妊鍼灸ネットワークの名古屋での研修会で、遺伝子異常への挑戦もあり得る!という話を中村先生がされていたのですが、今朝早速、理研の発表からすると先日の講義での推論に誤りがあったと訂正とお詫びのメールがありました。いやいや、中村先生の話を聞いていたからこそ、理化学研究所発表の意義がわかったというものです。実にタイムリー。科学の発展を目の当たりにしたワクワク感がありました。

 

 

アトピーその後

以前、アトピーのニュースを転載しました。

最初は2012.10.25 アトピー素因を作る遺伝子を特定したということ、その次は2013.6.7 汗によるアレルギー反応の原因物質の発見について。

アトピー性皮膚炎記事 - 喜多鍼灸院日誌

その他にも遺伝要因が見つかっており、アレルギーでは無く皮膚の性状を決める遺伝子等々もアトピーとは密接に関係しているので…以下、九州大学サイトより。

 現在、アトピー性皮膚炎については世界中で研究が進み、ヒトのゲノム(遺伝子)上に19ヵ所の発症に関わる遺伝領域が同定され、病態の理解に役立ってい ます。それらの領域には寄生虫や虫さされに対する免疫応答に働く遺伝子、免疫反応を制御する働きのある遺伝子、表皮バリアで働く遺伝子などが多数含まれて いました。アトピー性皮膚炎は、個人個人で症状が多様です。この19ヵ所の遺伝要因のほとんどをもっている患者さんもいますし、2〜3ヵ所のみをもつ患者 さんもいらっしゃいます。その組み合わせは無数にあり、これらの遺伝要因の組み合わせが多彩な症状(重症化の程度、ヘルペスウイルスや黄色ブドウ球菌への 感染頻度、皮膚の乾燥の強さ、かゆみの強さなど)に影響する可能性が考えられています。このことは万人に共通な画一的な治療は難しく、それぞれに合った治 療法や環境の整備が必要であることを示唆しています。しかし、同定されたアトピー性皮膚炎の候補遺伝子の多くは環境応答遺伝子で、感染や表皮バリアの破 壊、乾燥などの環境下で働く遺伝子です。たとえ遺伝要因を多く持っていても環境要因を整えれば、発症のリスクを抑えられる可能性は大いにあります。 

どんな疾患でもそうですが、「標準治療」とか「ガイドライン」というものが有っても、そのままで良いわけで無く、オーダーメイドな治療が行われます。遺伝要因を見つけていくことは、その手がかりとなるわけですね。遺伝的な要因があるというのは、あきらめの原因ばかりでは無いのです。

なぜアトピーの話かというと、最近妻が「しっかりした」標準治療に立ち戻り、状態が安定してきているからなのです。とはいえ1ヶ月経過しておらず、まだまだこれからの経過というか波乱というか注視すべしなのですが、標準治療の大御所はどんなことをして、どれだけ効果を出せるのか興味もあって楽しみにしています。(もちろん妻に元気になってもらいたいのが一番です!これを見ても怒らないように!!)

 

おススメ九州大学皮膚科の一般向けサイトです。親切すぎて?ページが細かく分かれていて一覧性が悪いですけど。

アトピー性皮膚炎についていっしょに考えましょう。

不妊鍼灸ネットワーク研修会

4月から不妊鍼灸ネットワークに入会しています ↓

不妊鍼灸ネットワーク 鍼灸(針灸)による正しい不妊治療の啓蒙普及と治療院紹介

 

で、初めての研修会に参加すべく、名古屋の明生鍼灸院まで行ってきました。

 

鍼灸の効果ある症状の一つとして不妊があり、施術が行なわれています。ただ、その内容にどれだけの根拠があるのか、どれだけ成果が上がるのか、玉石混淆であると思われます。

そんな現状を打破すべく活動されており、オープンにすべてを議論し伝達してくれる会が不妊鍼灸ネットワークです。大阪でのとある講演にて、その技術を知り追いかけていくうちにネットワークができて、さらに深く広く教えて頂ける活動に賛同し、若干の躊躇を経て入会しました。入会に躊躇したのは、トリガーポイント一本でやってきた私の治療と相容れない面が無いか?、TP鍼療法を究めることだけに労力を払うべきか?等と思ったからです。しかし、科学的に技術を追求しており、鍼灸学会などでその成果を随時発表されている先生方と共に学ぶことは、まったく今までにやってきたことに反しません(^^)。

 

実際、今回の研修においても、脳みその使っていない所をぐりぐり動かしながら、臨床に結びつけられる成果を得て(中村会長は「鍼灸師の仕入れ」と表現されていました)大満足でした。

 

7月には会のメンバーでHORACの森本先生とお会いする機会を作って頂けました。鍼灸師からすると対極にある様な施設を見学し、どんな話が聞けるのか楽しみです。

www.ivfhorac.com

学術研修会

 トリガーポイント研究会では今年度もトータル18回の講習がありますが、入門セミナーは来年度ですので、外部で黒岩共一先生の話が聞ける機会を紹介します。

 

 まずは、関西医療大学系校友会の合同学術研修会です。

 

平成27年4月19日(日)12:50~16:15

「阿是穴の科学的進化形;トリガーポイントとその臨床活用」

関西医療学園専門学校 5F 大ホール

大阪市住吉区苅田 6-18-13

 

(公社)大阪府鍼灸マッサージ師会さんの方でも恒例のセミナーをされています。今年度の日程は 8/2, 10/4, 12/6, 1/31, 2/7です。詳しくは以下をご覧下さい。

http://www.osmk.osaka.jp/pdf/2015_trigger.pdf

 

他にも、

6月21日 関西運動器障害研究会  14:20- 16:00

があります。詳しくは主催者にお尋ね下さい。

 

現在把握しているのは以上です。今後の新しい情報についてはトリガーポイント研究会ホームページをご覧下さい。

k-tp.jp

不妊鍼灸ネットワーク

今日は京都まで不妊の勉強会に行ってきました。

9時から5時過ぎまでみっちり。

実は本日トリガーポイント研究会の担当日だったのですが、代わりに行ってもらえるスタッフが有ったので行くことができました。この場を借りましてお詫びとお礼を申しあげます(^^;)。

で、不妊鍼灸ネットワークですが、名古屋の明生鍼灸院のやり方を基本とした、科学的根拠のある不妊治療を目指しているグループで、明確な治療方針の元、かなりハイレベルな勉強をされています。

そもそも明生鍼灸院の治療方法については、数年前に3回に渡る講習を受ける機会があり、奥の手を披露、指導していただきました。そのオープンな姿勢にまず感動、そして、それが私の拠って立つTP刺鍼の方法、内容に近いものがあったことで、非常な共感と使命を感じ、やろう!と思ったのです。

ただ、自分での勉強には限度があるものです。逆子や不妊、不育についてさらなる研修の機会が無かった私は、学会や大阪府鍼灸師会の講習で不妊鍼灸ネットワークの先生の単発の講演を聴いた後、いよいよ入会する決心をしたのです。

本日は会員外が参加できる公開講座でしたが、このまま入会に突き進んで(^^;)勉強させていただきたいと考えております。鍼灸による不妊治療に興味を持つ方も増えており、ざっと100名を少し越える参加者が会ったようです。

ちなみに初めて行きましたが、会場は本能寺ホテルで、眼下に本能寺の変で皆様ご存じ、本能寺が見えました。その時に焼けてるし、場所も違ってるみたいですが。

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懇親会後、記念写真も撮ってみました(*^_^*)

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希望に燃える46歳も一緒に。

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無くしたもの見つけた

以前書いただろうか…?グランドセイコーについてネットで調べたのが2回目だから。でも、書いた記憶が無い。だから書きます。

 

中学の時、父の腕時計を失ってしまった。友達(北井君)と電車に乗ってカメラショーに行き(心斎橋の大丸だかそごうだかでありました)、慣れない電車での移動や、もらってきたカタログに気を取られていて気がついたら無かったのです。その時は腕に付けてませんでした。

その後のことは、はっきり覚えていないけれど、父親に無くしたと言えなかった。聞かれて答えたかもしれない、けど、えらいことした!という気持ちが勝ってしまい、自分から謝ったのでは無かったと思う(勝手に持って行ってたし)。ただ、覚えているのは、そのことで全く怒られなかったこと。

どんな腕時計だっただろう(また手に入るだろうか…)と、無くした直後に残っていた時計の説明書をたよりにしてセイコーに電話し、発売時期や価格などを聞いた覚えがある。たしか昭和40数年ぐらいの発売で、中学生の頃にはもう売っていなかった。


おっさんになってから、グランドセイコーが再発売となり、記憶が蘇る。それから、今日改めてネットでしっかり調べると、えらいもので、何だか見覚えのある時計が!

ところが、危うい記憶とはいえ、完全に合致する物が中々見つからないのです。

きらっと光る長針と短針の真ん中を黒いラインがすっと通っている。
GSと書いている。
曜日と日付が出る。
振るとシャーシャーと音がして、気持ちよく巻けた(自動巻)。
裏蓋の真ん中が金色(真鍮色?)で、そこにライオンマークがあったような…

あと、全体的な見た目は案外あやふやですが、見ればなんとなく分かります(^^;)。

そんなわけで、

結論として61GSの初期なのかと。でも、61GSには裏が獅子のものが無さそうです。そうなると、獅子では無かったかなとゆらぎます。裏は「GS」だったかもしれません。
説明書の写真もアップしている方が有りましたが、これはまさに記憶通り!無くしてからだったと思いますが、説明書を読んで良い時計だったんだなあと残念な思いをしていたのです(…アイマイ)。

なぜ、無い時計について色々調べてみたかというと、グランドセイコーが、ほぼ私の生まれた前後の発売だと知ったからです。

私が生まれた年にどんな気持ちで給料の一ヶ月分近く?はたいて買ったんやろか、だいぶ思い切って買ったんやろなあ、などと想像してみたくなったのです。
そして、まさに、これだったと思われるタイプの61GSについては、どんぴしゃ1968年から出回ったようです。晩年までそうですが、新し物好きやったんやなと(^^;)

 

そして、それを無くした馬鹿息子…。

 

以下、写真は無断借用しております。ありがとうございます。

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震災の起こった3/11に超個人的なことを書いてしまいました。

あながち間違いで無い

うつの薬を飲んでるとボケるよ。どこかで仕入れてくる情報か、長い人生で見聞きした事実の集積なのか、患者さんが言うことがあります。それが、あながち間違いでは無かったと言うお話。

石原藤樹(六号通り診療所所長)のブログですが、以下はm3.comが無駄な改行を削って(^^)読みやすくしてくれたものを引用です。

 今月のJAMA Intern Med誌にウェブ掲載された、非常に良く使用される抗コリン作用のある薬の、認知症発症リスクについての文献です。抗コリン作用と言うのは、副交感神経に代表される、アセチルコリン作動性神経の働きを抑えるというもので、非常に多くの薬剤がこの作用を持っています。その中には抗コリン作用そのものが、薬の効果であるものもありますし、副作用として抗コリン作用を持つものもあります。

 アセチルコリン作動性神経により、胃や気管支、膀胱などの平滑筋は収縮しますから、胃痙攣を抑える目的で使用されたり、気管支拡張剤として、また過活動性膀胱の治療薬として使用されます。パーキンソン症候群の補助的な治療薬として、使用されることもあります。その一方で、鼻水や痒みを止める抗ヒスタミン剤や、抗うつ剤や抗精神薬は、副作用としての抗コリン作用を持っています。この抗コリン作用は基本的に末梢神経のものですが、脳への作用も皆無ではありません。

 一方で認知症では脳のアセチルコリン作動性神経の障害が、早期に起こると考えられています。そのために、現在認知症の進行抑制目的で使用されている、ドネペジル(商品名アリセプトなど)は、脳内のアセチルコリンを増やす作用の薬です。抗コリン剤はアセチルコリン作動性神経を抑制する薬ですから、これがそのまま脳に働けば、脳のアセチルコリン作動性神経の働きを弱め、認知症のような症状を出すであろうことは、当然想定されるところです。実際に高齢者に抗コリン剤を使用することにより、せん妄状態や、記憶障害や注意力の障害など、認知症様の症状が急性に見られることは、良く知られた事実です。通常こうした急性の症状は、薬剤の中止により回復する、一時的なものと考えられています。

 しかし、高齢者が長期間こうした薬剤を使用している場合はどうでしょうか? それが認知症の発症に繋がるようなことはないのでしょうか? この点については、あまり長期間の観察を行なったようなデータが、これまで存在していませんでした。そこで今回の文献ではアメリカにおいて、高齢者の大規模な健康調査のデータを活用することにより、抗コリン剤の長期処方と、認知症の発症との関連を検証しています。

 65歳以上の認知症のない高齢者、3434名を登録し、平均で7.3年間の経過観察を施行。その間に23.2%に当たる797名の方が認知症を発症し、そのうちの637名はアルツハイマー病(疑いを含む)と判断されました。

 この間の処方箋から、抗コリン剤の使用を調査すると、最も使用されていたのは、風邪薬や花粉症、めまいや酔い止めなどとして処方される、抗ヒスタミン剤で、全体の64.8%に当たる2224名が処方されていました。一度でもこうした薬を飲めばカウントされるのですから、これでも少ないくらいかも知れません。

 次に多かったのは、ブチルスコポラミン(商品名ブスコパンなど)のような筋痙攣の治療剤で、45.6%に当たる1566名、3番目に多かったのはめまい止めでした。しかし、過活動性膀胱の治療薬や、抗うつ剤の処方も、少なからず認められました。

 合算の投薬量毎に認知症の発症率を見ると、年齢などで補正した数値として、最も多い3年以上毎日常用量を使用した患者さんにおいては、認知症全体の発症リスクが1.54倍(1.21から1.96)、アルツハイマー病の発症リスクが1.63倍(1.24から2.14)、有意に増加していました。必ずしも薬剤の種別による違いは認められず、用量的には合算で3ヶ月未満ではリスクの増加はなく、それを超えるとやや傾向としては認められ、3年以上で初めて有意になる、という結果でした。

 つまり、65歳以上の高齢者が、3年以上常用量の抗コリン作用のある薬を使用すると、その薬の種別に関わらず、 認知症のリスクの増加が生じる可能性がある、ということになります。これはたとえば2種類のそうした薬剤を使用していれば、1年半でも同様のリスクが生じる可能性がある、という意味合いです。近年使用されている抗アレルギー剤や、過活動性膀胱の治療薬は、神経への選択性が高く、脳への作用は少ないと想定されますが、そこでどの程度の違いがあるのかは、現状では不明です。

 いずれにしても、高齢者における抗コリン作用のある薬を、継続的に使用することは、認知症のリスクになることは、理屈から言ってもほぼ間違いがなく、特に古いタイプの抗ヒスタミン剤と鎮痙剤、そして3環系の抗うつ剤などの、3年以上の持続的な使用は、避けるのが望ましいということは言えると思います。

 他に問題となる可能性があるのは、抗精神病薬の副作用予防として使用されることの多い、ピペリデン(商品名アキネトン)などの長期使用ですが、今回のデータでは、そうした個別の薬剤のリスクについては、実証的なことはあまり言えないと思います。 

 患者さんなど年配の方のおっしゃることには永年の経験からの正しい判断があるのだと、また思わされました。とはいえ、そうじゃないことも多いんですけど(^^;)。

上記引用にあるように、高齢者に抗コリン剤を投与することにより「認知症様の症状が急性に見られることは、良く知られた事実です。通常こうした急性の症状は、薬剤の中止により回復する、一時的なものと考えられています」が、「ボケるよ」の印象を与える一番の原因なんでしょう。でも、それ以上のことがあることが確認された訳です。それから、特定の場所に選択的に作用する、新しい薬剤に問題が無いかどうかは今後の課題だということです。